WHOの殺人率統計をもとに書かれた本。WHOの統計によると、日本は世界最低の殺人率をキープし、それに貢献しているのが20代以下の殺人率。世代別殺人率ではもっとも高いはずの20代以下のそれが、日本では過去40年で10分の1に減り、中年の殺人率を下回るという世界でも例がない日本の状況を読み解いた本である。
 もちろん、こうした日本の特異な状況は、本書でも紹介しているようにさまざまな分析が学者によってなされている。教育水準の急激な上昇とか、徴兵制のない平和憲法のお陰だとか、警察の力だとか。しかし、そうした分析に欠けている殺人を犯す側の原理からこのデータに分析を加えたのが、アウトローを自認する宮崎学氏と殺人の現場を歩いてきた大谷昭宏。また、この2人は日本の世代で殺人率がもっとも高く“野蛮な”50歳~60歳の世代の代表でもある。自らの世代への自戒と、平和憲法的“進化”を遂げる若年層への叱咤激励に満ちた日本人論。

宮崎学×大谷昭宏 著
2004年1月23日発売
本体価格762円+税
ISBN:4-87233-816-2
太田出版