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2018年6月 7日 (木)

日刊スポーツ「フラッシュアップ」 大谷昭宏

異常性癖と犯罪歴にがく然
‐津山市小3殺害‐

  発生から少しあとになったが、岡山県津山市を訪ねる機会があって事件の概要を取材させてもらった。女の子は学校から帰宅直後に襲われ、首を絞められて刃物で胸などを刺されていた。だが、高校生の姉が帰宅して発見するまで付近で不審者の目撃情報もなく、物証も乏しかったことから捜査は難航。その一方、市内のあちこちに手がかりを求めるポスターが貼られ、市民の事件に対する思いがひしひしと伝わってきた。

  事件から14年、岡山県警は04年9月、小学3年だった筒塩侑子さん(当時9歳)を殺害した容疑で岡山刑務所に服役中の勝田州彦容疑者(39)を逮捕した。だが事件解決にほっとする一方で、容疑者の異常性癖と犯罪歴にがく然としたのは私だけではないはずだ。

  勝田容疑者は15年、兵庫県姫路市で女子中学生を民家の塀に押しつけてナイフで刺した殺人未遂事件で服役中だった。刑期は10年。だが、それ以前の00年、明石市で小学生ら女児数人に暴行。津山の事件後の09年にも姫路市で少女5人に傷害を負わせて懲役4年の判決を受けて服役していた。

  中学生のころから自分の腹を刺す自傷行為を繰り返し、医師に止められると、その後は少女を狙い、過去の事件では「少女のシャツが血に染まるのを見たかった」。また津山の事件では「苦しむ様子が見たくて首を絞めた」と供述している。

  刑務所内で性犯罪者処遇プログラムを受けたこともあったが、出所するとまた女子中学生を襲っていた。そんな犯罪者が、今回の津山の事件が発覚しなかったら、40代後半で間違いなく社会に舞い戻ってくるのだ。

  もちろん罪を償った人に過去は問えない。だけど、これでは私たちの社会は無防備な少女の群れにオオカミを放っているようなものではないか。異常性癖者に対する厳しい処遇と通学路の安全確保。それをないがしろにして少女の安全はあり得ない。毎年のように、この子たちが元気だったころの歌声やお遊戯のビデオに、涙を流していてどうするんだ。

  勝田容疑者の自宅のある兵庫県加古川市では07年10月16日夕、公園から自転車で自宅に帰ってきた小学2年の鵜瀬柚希さん(当時7歳)が玄関近くで刃物で腹部を2カ所刺されて殺害された。発生から10年余り、事件は未解決のままである。

(2018年6月5日掲載)

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