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2018年6月21日 (木)

日刊スポーツ「フラッシュアップ」 大谷昭宏

「見える警備」で「見える安心」を
‐新幹線車内殺傷事件に思う‐

  「安全と水はタダだと思っている」。わが日本国民がそんなふうに言われた時期もあったが、さすがにいま、それはなさそうだ。とはいえ、安全には応分のコストがかかるという意識はまだまだ低いのではないか。

  「だれでもいい」とナタで襲いかかった男に立ち向かった男性の尊い命が奪われた新幹線車内殺傷事件。私も考えをコメントさせていただく一方、ほかの方の意見も聞かせてもらった。

  はっきり言って首をかしげるものも多かった。事件のとき、車掌が指示したようにイスの座面を外して立ち向かうのも1つの方法だ。だが大人が防御すれば、犯人は子どもや赤ちゃんに向かう。サスマタや警棒などの武器を常備したらどうかという意見もあったが、だれが管理するのか。凶悪犯の手に渡ったらより危険だ。

  航空機並みの保安検査という発言も多いが、何十カ所もあるターミナルの改札、乗り換え口に金属探知機と手荷物検査場を設置したら大混乱必至だ。こだま停車駅の設置を含めて東海道新幹線だけでも費用は膨大だし、保安要員は数千人が必要だ。実現不可能なことを口にしているとしか思えない。

  私は一貫して「見える警備」を主張しているのだが、みなさんの考えはいかがだろうか。JR東海も事件を受けてスマホで乗務員と会話ができる警乗員の増員を決めたが、はっきり言って中途半端だ。私は特殊警棒携帯、防弾、防刃ベスト着用のガードマンを全列車に乗務させたらとあちこちで発言している。2人1組、制服姿のガードマンが1号車からと、16号からに分かれて車内を巡回する。

  車掌は車内放送で、「この列車には2人のガードマンが警乗しています。常時車内を巡回し、緊急時には駆けつけます」とアナウンスするのだ。要人警護のSPが派手な動きでテロリストを近づけさせないのと同じように「見える警備」で犯行を抑え込むのだ。

  東海道新幹線は最繁忙期で上下433本。ガードマン1組が1日1乗務しかしないとしても人員は900人ほど。人件費は多くて約3000万円。1日50億円を売り上げるJR東海が出せないお金ではないはずだ。

  何より、何分か置きに必ずガードマンが巡回してくれる。乗客が求めているのは、眠っていても、見える安心、見える安全なのだ。

(2018年6月20日掲載)

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