浪速の空に「六甲おろし」かたや空しい「石破おろし」
-戦後80年の夏に思う-
早くも浪速の空に響く「六甲おろし」。不肖巨人ファンとしても阪神にマジックがついて、ここは潔く、というところだが、なんとも不可解なのが自民党内の「石破おろし」だ。
昨年の総選挙、都議選、そして今回の参院選でスリーアウト。選挙の結果が全てとチェンジを叫ぶ一部自民党議員を尻目に、朝日新聞の直近の世論調査では、石破首相は「辞めなくていい」が前回、7月の47%を大きく上回り、54%となった。なぜ「辞めなくていい」がこれほど急伸したのか。私は朝日の調査が8月16、17日だったことがウエートを占めているように思う。
戦後80年の8月。石破さんは、6日の広島の平和記念式典のあいさつの最後を被爆歌人、正田篠枝さんの〈太き骨は先生ならむ そのそばに 小さきあたまの骨 あつまれり〉の短歌を2度読んで締めくくった。
また9日の長崎平和祈念式典では、被爆した長崎医大(現・長崎大医学部)の永井隆博士の著書の一節〈ねがわくば、この浦上をして世界最後の原子野たらしめたまえ〉を自身、クリスチャンでもある首相が、あいさつに盛り込んでいた。 さらに15日。全国戦没者追悼式の式辞では2013年の故・安倍首相以来、消し去られていた加害責任に言及。〈あの戦争の反省と教訓を胸に刻まねばなりません〉と「反省」の言葉を12年ぶりに復活させたのだ。
こんな石破さんの姿勢こそが、世論調査の追い風になっているのではないかと思えてならない。
だが石破おろしの議員は「3つの選挙こそが国民の意思」と、民意をそっちのけにして言い張る。こんな姿勢こそが、自民凋落を招いているのではないか。
それにしても情けないのは野党だ。スリーアウトチェンジで次の出番はあんたたちじゃなかったのか、なんてボヤいても始まらない。〈8月や 6日9日15日〉。石破さんのあいさつや、式辞をあらためて読み返してみる、戦後80年の夏である。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2025年8月25日(月)掲載/次回は9月8日(月)掲載です)
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