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2025年7月15日 (火)

フジに失望しても絶望はしていない

-日枝氏が出ない検証番組  映像などオープンに-

 テレビ報道について2つの思いを抱いた。先日、日本民間放送連盟賞近畿地区報道部門の審査をした。今年もまた、取材対象によっては数年がかりになるドキュメンタリーに取り組む記者の姿に心打たれた。

 その一方で残念というより心底、憤りを覚えることがあった。このままではテレビは確実に見放される。

 一連の問題を受けて、フジテレビは先週日曜日、検証番組「~反省と再生・改革~」を1時間45分かけて放送した。

 役員など要職にあった人が女性社員を指名、接待要員のようにしていた人もいた。底無しの倫理観にあらためて怒りが湧いてきた。だが、この番組、そうしたことへの反省は盛り込まれていたが、検証番組としてはまったく体をなしていなかった。

 多くの人が注視していた日枝久元取締役・相談役が番組に登場することはついになかった。40代で局幹部となり、会長時代の24年間で8人の社長の首をすげ替えたという日枝氏。

 この権力者について役員に「逆らったら大変なことになる」などと語らせながら、「番組は日枝氏に3度取材を申し込んだが、応じることはなかった」と、一片の取材依頼書を見せて終わっている。

 そもそも組織の不正を検証する番組が、責任ある人物にふれないままで成立することは絶対にあり得ない。

 だが私は、失望しても絶望はしていない。記者の中から「日枝を突っかけ(自宅や出先で直撃)させろ」という声が出たはずだ。日枝氏抜きの検証番組に「恥ずかしくないのか!」という言い合いもきっとあった。

 そしてここで大事なことは、記者やカメラマンの本性、本能として、必ずだれかが音声や映像、最低でもメモ書きを残しているはずだ。ぜひそれを洗いざらいオープンにしてほしい。そこから噴き出してくる社会の声に、どう応えるのか。フジの再生・改革の第1歩は、その時踏み出される。

 

(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2025年7月15日(火)掲載/次回は7月28日(月)掲載です)

 

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