貫通されなかっただけでもまし?
-テスラ車と赤沢大臣…-
タレントのユージさんとは静岡朝日テレビの「とびっきり!しずおか」でご一緒するが、子どもの教育からファッション、スポーツ、車。私と年も趣向も違うけど、なぜか息が合う。
先日のテーマはトランプ関税。中でもアメリカが問題にしている、主に自動車についての日本の非関税障壁。私が「障壁といっても、これは安全に関わること。安易に妥協してほしくない」と話すと、ユージさんが「日本にも欲しがっている人が大勢いるテスラ社のサイバートラックがいい例」とフォローしてくれる。
女性アナがCM中にスマホで検索した車の画像を見ると、ステルス戦闘機に鋭利なステンレス鋼を張り付けたような車種。ユージさんによると、子どもがちょっと接触しても大けがの恐れがあるし、衝突事故では軽い車体がクッションになる日本車と違って大事故になる。「安全面から日本での走行はまず無理」という。
そもそもテスラ社のこの車のウリは「サブマシンガンの弾も通さない」だそうで、新車の発表会では銃弾の代わりに鉄球でボディーを打つパフォーマンスをしてみせた。ところがそこで少し見通しが狂って、鉄球を受けても車は壊れなかったけど、ボディーにへこみができてしまったという。だけどユージさんの話は、まだその先にオチがついていた。
発表会のプレゼンターは「この車には1万回鉄球をぶつけても大丈夫という実験をしてきたんだが、今回が1万1回目だったんだ。それと、どうだ、へこみはしたけど貫通はしていない。なっ、大したもんだろ」と堂々と胸を張ったという。
ユージさんは、ことビジネスに関して彼らはこれほどまでにタフだと言う。
さて、そのトランプ関税に立ち向かう、わが日本。首相の「お互いウィンウィンになって来い」の言葉でアメリカに飛んだ赤沢大臣だが、目下のところ成果は??? え?「貫通されなかっただけでもマシ」だって? 「………」
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2025年4月22日(火)掲載/次回は5月5日(月)掲載です)
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