桐島聡“自首”の意味あったのでは
-若者がきちんとゆっくり社会を変えていくようになれば-
49年間逃亡の末、死の4日前、神奈川県で男が重要指名手配犯「桐島聡」と名乗り出た連続企業爆破事件。リスナーの疑問に答えながら話した大阪・ABCラジオの先週の続き。
東アジア反日武装戦線が学生運動を見限って、日雇い労働者や在日朝鮮人を中核に据えた〝窮民革命〟についてのリスナーの疑問。
――踏みにじられた窮民と財閥系企業の爆破がどうしても結びつかないのですが
その通り、実際結びつかなかったのです。やはり自分たちが見限った学生運動と同様、彼らも頭でっかちだったのです。明日のお米にも困っている人々に爆弾を作っている余裕なんかあるはずがないのです。結果、自分たちで手を下し、組織は壊滅してしまいました。
――爆弾テロで社会が変わるはずがないですよね
当然です。爆破で犠牲になったのは家族を大切に懸命に働く市民たちです。そんな人の命を奪っておいて共感を得られるはずがありません。
――それにしても49年間、よくも逃げ続けましたね
彼らが教本にしていた「腹腹時計」には「単独で逃げ、深入りせずに人とつき合い、隣人には挨拶を欠かさず」と書かれていて、その通り実行していました。
――最期に名乗り出た意味はあったのでしょうか
死の直前、捜査員に「(事件を)後悔している」と話したそうです。意味はわかりませんが、爆弾やテロでは社会は変わらない。事件当時21歳だった自分と同年代の若者がきちんと選挙に行き、ゆっくりであっても社会を変えて行ってほしい。そう捉えてもらえたら、彼が名乗り出た意味はあったのではないか。私は勝手にそう考えています。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2024年2月19日掲載)
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