至極まっとう「阪神日本一と万博を絡めるな」
-合同Vパレードクラファン-
大阪では、いささか肩身の狭い巨人ファンの私も拍手を送った38年ぶりの阪神日本一とオリックスのリーグ優勝。ところが、この23日(祝日)に予定されている大阪・御堂筋、神戸・三宮の優勝パレードの雲行きが怪しくなってきた。運営費は民間で、と大阪府などが提唱。目標5億円で始めたクラウドファンディングへの寄付がさっぱりなのだ。開始から1カ月近くたっても2割弱の1億円足らず。一体、ファンはどうしたのか。
読売新聞(大阪版)がズバリ、「大阪・関西万博と関連づけたことだ」と書く。バレードの名称に「万博500日前」をつけ、ファンドの発表には、あのなんともいえないキャラクターも登場。これに反骨、反権力の浪速っ子がカチンときた。 この大阪万博、当初予算の1・9倍、2350億円に膨れ上がっているところに、350億円かけて世界一巨大な木造建物(リング)をすでに建築中と知って、国民の多くも猛反発。共同通信の世論調査では、大阪万博について68・6%の人が「不要」。つまり7割がやめろ、と言っている。
ファンドに寄せられた声には「阪神日本一と万博を絡めるな」「政治利用は控えるべき」といったものもあったという。至極真っ当。まさに♪獣王の意気高らかに…ではないか。
大阪府などは財界の寄付を当て込んでいるが、そんなお金なんかなくても大丈夫。03年、星野阪神優勝パレードでは、まっ先に「障害者・子ども席」を用意した球団と阪神応援団。ステキなパレードを期待しつつ、かつてのNYメッツ優勝にあやかった当日の空模様を。
―御堂筋は晴れ! ところによって紙吹雪でしょう。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2023年11月20日掲載)
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