医療の現場はまだコロナ禍にある
-増えない発熱外来-
先週会った大学病院の医師は「いま、コロナ患者が日々倍増。確実に第9波が来ている」と頭を抱えていた。
その数日前には地元、大阪のS医師からメールが届いていた。国はコロナを5類に移行して以降、感染者数を全数把握から定点報告に切り替えたが、やはりとんでもないことに。
〈定点報告では漸増となっていますが、府医師会約450医療機関の調査では週当たり984、1476、1610、2224人と、この1カ月で倍増。なのにほとんど報道されません〉
S医師はこの事態にたまりかねたのだろう。メールの最後に〈そんな私の印象を近々、朝日新聞の「声」欄が取り上げてくれるようです〉と書かれていた。
その6月9日の「声」欄。
〈―新型コロナ感染症が収束する兆しはなく、発熱患者さんが毎日のように訪ねてくる。インフルエンザと同等の扱いとなったため、外来受付にいきなり来られる方が増えた。すでに発熱患者さんがいる場合は院外で待っていただくことがあるが、これに不満で帰ってしまう方も出てきた〉
国は、5類移行で条件が緩和されれば発熱外来の医療機関が増えると踏んでいたようだが、とんでもない。 〈大半の病院は従来通り、コロナの疑いのある患者は場所や時間をずらして対応している。診療報酬の特別加算も減らされたなか、こうした難しさを抱える診療に新たに医院が手を挙げるか疑問だ〉として最後は〈社会はアフターコロナでにぎわいを取り戻しているが、医療の現場はまだコロナ禍にある〉と結ばれていた。
私たちもマイナカードのデタラメばかりに目を奪われている時ではないようだ。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2023年6月19日掲載)
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