東大⚾井手監督「ワンアウト走者三塁」人生楽しむ
-喜寿祝い78歳との対談-
まことに私事ながら7月8日で私、77歳。喜寿である。毎週出演している東海テレビのニュースデスクが「どなたでも結構。同年代の方との対談を」と粋な企画をしてくれた。同じ年の吉永小百合さんを想定していたようだが、私の希望は井手峻(たかし)さん。78歳。猛暑の中、東京・本郷の東大球場での対談となった。
井手さんは東大野球部初のドラフト指名選手。1966年中日ドラゴンズ入団。投手、野手として活躍した。球団代表も務めたが2年前、76歳で母校の監督に就任された。
「いまの選手は勝ちへの執念がすごい。それに部員100人を超えてベンチ入りできなくても、やめる子はまずいない。そう聞いて、私で役に立つならと」
スタンドの最上段。さっきまで土煙の中にいたのに涼しげな笑顔が返ってくる。就任した年の6大学秋季リーグ。さっそく立教に勝ったのをはじめ、今年春のリーグでは2引き分けと、早稲田に冷や汗をかかせた。
長打力がないなら単打と足。コーチ、選手がストップウオッチを手に走塁練習を重ね、去年春には28個中24個の盗塁を成功させた。
「そうやって野球で一番おもしろいワンアウト、ランナーサードのチャンスをなんとか作っていくんです」
犠牲フライもある。スクイズもホームスチールもある。さあ、どうする。それがいまの東大野球だという。 スタンドに流れるさわやかな風。78歳と77歳。イニングは重ねたけど、ひょっとするとこの人生、いまがワンアウト走者三塁。そんな気持ちになるのだった。
対談の模様は、東海3県は15日午後6時過ぎから東海テレビで。その他の地域は同テレビのYouTubeでご覧いただけます。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2022年7月11日掲載)
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