進まぬ3回目と小児接種 国民の望みは
-薄れるコロナの話題-
ロシアのウクライナ侵攻からあすで40日。いつもコロナについて的確な情報をくれる地元、豊中のS医師から〈そのせいでコロナの話題が薄れてきているようです〉とメールが届いた。
〈3回目接種を本格的に始めて3カ月。どこの医療機関も昨年の大騒ぎと打って変わって申し込みがかなり減っている印象です。新型コロナはあまり怖くないと思っている方が多くなっていることもあるようです〉
だが、現実には3月下旬から感染者が前週の同じ曜日を上回る日が続出。なのにワクチン接種は進まず、1回目が接種年齢の80・9%、2回目79・5%に対し3回目は40・5%だ。
〈3回目接種についての国の広報のまずさと、もう1点、モデルナの副反応の問題が大きいようです。モデルナは1バイアルで15人接種できますが、不人気のため、冷蔵庫から出して12時間以内にこの人数にならないと残りは廃棄となります〉
S医師は、去年は考えられなかったワクチンロスだという。さらに大きな問題は5歳~11歳の小児接種だ。10万人当たりの感染者は10歳未満が473人と最多だが、ワクチン接種は5・7%にとどまる。S医師は〈小児科医が親御さんからいろいろ意見を聞かれるようですが、様子をみたいという方が多いようです〉という。
その上でS医師は3回目や小児接種がこんな状態なのに〈国は早々、4回目接種を言いだしています。国民がどの程度望んでいるのか、慎重に議論してほしいものです〉と結ばれている。
いま私たちは彼の国で日々失われていく命に胸を痛めつつ、自らもいまだウイルスと戦い続けていることを、忘れてはならない。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2022年4月4日掲載)
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