現金受け取り議員に「起訴相当」
-検察審査会が大きな1歩-
2009年、裁判員制度とともに新制度になった検察審査会が大きな1歩を踏み出したようだ。妻・案里元被告の参院選挙で2871万円をバラまいた河井克行・元法相(懲役3年が確定)から現金を受け取りながら不起訴になった広島の県議、市議ら100人のうち、35人について検察審査会が強制起訴もあり得る「起訴相当」を議決した。
さっそく広島ホームテレビの番組にリモートで出演したが、質問してくる記者から、多額の現金を受け取りながら、なお県議、市議に居座る議員への怒りがふつふつと伝わってきた。
この検察審査会、これまで安倍政権下の森友文書改ざんも桜を見る会前夜祭も、いずれも強制起訴にはならない「不起訴不当」を議決。その一方で、これまで強制起訴された原発事故の東電トップや福知山線事故のJR西日本幹部は、いずれも無罪。この12年で強制起訴は9件。うち有罪となったのは個人の暴行事件などたった2件。果たして審査会は「民意を検察に」という目的に沿っているのか、疑問視する声も上がっていた。
だが今回の議決は「議員という公職にありながら、その行為は極めて悪質」とした上で「その責任の重さに鑑み、不起訴は不当である」と、暗にではあるが、起訴しないことを条件に金の受け取りを認めさせた検察捜査を批判している。
検察が再度不起訴にしても審査会がもう1度「起訴相当」を議決したら議員は法廷に立たされ、有罪となれば失職する。
議員の行く末もさることながら、モリカケサクラ。民意を裏切り続けてきた検察、検察審査会がこの先、どう出るか。市民は目を凝らしている。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2022年2月7日掲載)
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