路上のバカ騒ぎ取り締まりを
-居酒屋ばかり厳しくしても-
朝日放送テレビ(大阪)の夕方ニュース番組「キャスト」の先週のスタジオ。週明けにも発令される緊急事態宣言の話題でゲストの女性弁護士が「私が住んでいる東京の表参道では夜になると若い人が歩道でお酒を飲んで大騒ぎ。居酒屋さんには随分厳しいのに、ちょっと矛盾してませんか」と、語気を強めた。
そのコメントに合わせるかのように、京都・鴨川の夜の映像が流れる。ビールの空き缶が転がる河川敷で男女の若者が互いの肩に手を乗せて踊っている。表参道や鴨川だけではない。東京の高田馬場駅前では深夜までバカ騒ぎをする学生の姿が度々テレビで流された。
ゲストのコメントを受けて私は「道路や河川には国や都道府県といった管理者が定められている。なぜ警察は、それら管理者と連携して機動隊を出すなどして取り締まりをしないのか」と指摘させてもらった。
若者の乱行だけではない。飛行機の機内やホテルでマスクを着けず、着用を促されると屁理屈をこねて大暴れ。あるいはJR大阪駅でマスクなしで電車に乗り、他の客が飛んで逃げたあとも車内に居座り続けた男。だけど警察は、飛行機やホテルの屁理屈男に千葉の食堂で3度目の大暴れをされて、また逮捕。大阪駅の男は説得して帰宅させた。
時短や休業。破れば過料を科せられる店の経営者から「なぜ私たちばかり」の声が出るのも当然だ。もちろん公権力の行使は少ない方がいい。だけど法の施行を急いだ立法府の国会も政府や都道府県といった行政も、爆発的感染は防げなかった。ここは警察をはじめ、司法が1歩も2歩も前に出るときではないのだろうか。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2021年4月26日掲載)
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