今の政治に命と生活を託せるか
-21年を厳しい審判の年に-
月曜日の紙面に引っ越したこのコラム、今年もどうぞよろしく。
さて2021年は騒然とした中で明けた。8日に新型コロナ対策で2度目の緊急事態宣言の発令。私事になるが東京のテレビ、ラジオは新年に1度スタジオ出演しただけで、以後は名古屋局も含めて、すべて大阪からのリモート出演となる。
その新年の東京のテレビ番組で、感染症の専門家は、政府のコロナ対策を「小火(ボヤ)ですむはずのものを大火事にしてしまった」と厳しく批判していた。菅首相は12月25日の記者会見で緊急事態宣言は「必要ない」としていたのだ。だが、大晦日には東京の感染者は1337人。年明けに2000人を超え、大火は手のつけようがなくなった。
だが、そんな緊急事態になっても菅政権は野党の要請を突っぱねて12月初めから肝心の国会は閉じたまま。その魂胆は、すぐにわかった。閉会直後に安倍前首相の「桜を見る会」の検察の本格捜査と前首相の取り調べ。国会を開いていたら野党の集中砲火を浴びる。そこで国会を閉じて、小火どころか火事をなかったことにしたのだ。
その緊急事態宣言の内容が決定される日の明け方、アメリカの連邦議会議事堂にトランプ大統領の支持者が乱入、4人が銃で死亡。議員はガスマスクをつけて避難したという一報が飛び込んできた。大統領は「暴力は認めない」とツイートしたが、乱入の直前にホワイトハウスの広場で群衆に檄を飛ばし、それが火に油をそそいだことは間違いない。
日本に話を戻して、2021年は衆院選や7県知事選の選挙イヤー。果たして、いまの政治に私たちの命と生活を託せるのか。厳しい審判の年にしようではないか。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2021年1月11日掲載)| 固定リンク
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